養子縁組とは

養子縁組とは、親子関係のない者同士に、法律上の親子関係を成立させる制度です。日本では、養子縁組(普通養子縁組)は家の存続のためや、跡取りを設けるために以前から広く行われてきました。

<特別養子縁組とは>
特別養子縁組は1987年に民法の改正で導入された制度です。特に子どもの福祉を目的としており、何らかの理由で産みの親が育てることができず、親を必要とする子どもに実親子関係に準じる安定した親子関係を成立させるものです。
特別養子縁組の養親となる者は、配偶者があり、原則として25歳以上の者で、夫婦共同で養子縁組をする必要があります。親の都合による離縁は禁止されています。また、特別養子縁組は原則として子どもの年齢が6歳までしか認められません。(民法817条)

<特別養子縁組と普通養子縁組の違い>
この特別養子縁組と区別するために、それ以外の一般的な養子縁組を普通養子縁組と呼びます。
普通養子縁組の場合、産みの親と子どもとの法的関係が残るため、子どもは産みの親と養親との両方に親子関係があることになります。特別養子縁組の場合は、法律上は産みの親と子どもとの親子関係がなくなり、養親と子どもだけが法律上の親子となります。

項目 普通養子縁組 特別養子縁組
名称 普通養子 特別養子
成立 当事者の縁組意思と届出(契約)。ただし、養子となる子が15歳未満の場合は法定代理人の代諾による。未成年者の場合は家裁の許可が必要。 家庭裁判所に申立て審判を受けなければならない
親子関係 実親、養親ともに存在 実親との関係消滅
戸籍の記載 養子・養女 長男・長女
離縁 可能 原則できない
養子の年齢 制限なし 6歳未満
相続権 実親子間・養親子間の両方の相続権あり 実親子間の相続権は消滅

 

<社会的養護にある子どもに関する国連と国の方向性>
一般に、子どもたちの多くは生まれた家庭で育ちますが、何らかの事情で産みの親の家庭で育つことのできない子どもたちもいます。その理由は親の死亡や病気、育児困難、育児放棄、虐待などさまざまです。こうした子どもたちを公的責任で養育し保護することを「社会的養護」と呼び、日本では約4万人の子どもが対象となっています。

2009年の国連総会で採択された「子どもの代替養育に関するガイドライン」には、生みの親と暮らせない子どもたちについて下記のように書かれています。

•家族による養育のもとに子どもを留めるか、家族に戻すための努力を支援し、それに失敗した場合は、養子縁組やイスラム法におけるカファーラなど、他の適切で恒久的な解決策を見出す努力をすること。

• そうした恒久的な解決策を見出すまでの間、あるいはそれが不可能であったり、その子どもに最善の利益をもたらさない場合には、代替養育の最も適切な形を特定し、確保すること。

つまり子どもが生みの親の元に戻ることができない場合は、生物学上の親戚または非常に近い関係性の個人、または養子縁組などの“恒久的な”家族を探すことが望ましく、里親による保護や施設による保護は、それが見つかるまでの“代替的な”養育、つまり一時的なものであるという位置づけです。子どもが大人になっても関係性を継続しうる家族を得ることが目標となっており、これを「パーマネンシーケア」といいます。里親や施設など “代替的”な養育を受ける期間は、できる限り短くしようとする方針が諸外国では取られています。

 日本では現在、社会的養護下にある子どもの85%が乳児院や児童養護施設とよばれる施設で暮らしていますが、2016年6月に改正児童福祉法が公布され、生みの親が養育できない子どもは、養子縁組や里親・ファミリーホームなど家庭と同様の養育環境で、継続的に養育されることが原則となりました。またこれまで養子縁組は児童相談所の業務として明確に位置づけられていませんでしたが、法律の改正により児童相談所が取り組むことになりました。