日本・海外でのインタビュー

2017.04.12 更新

よ~しの日2017トークインタビュー その③ 不幸だったことはなく、幸せに生きる道を育ての親からもらった 川嶋あい【NEW】

<よ~しの日2017トークインタビュー >その③
不幸だったことはなく、幸せに生きる道を育ての親からもらった

よ~しの日2017トークインタビュー その①
よ~しの日2017トークインタビュー その②

「養子の日」のような子どものための催しを広めたい

――受け取った命のバトン。それを次世代の子どもたちにも受け継いでいきたいという思いで、福岡の児童養護施設でライブをなさっているのですよね?

川嶋さん はい。私が育った施設にも行きました。18歳くらいの時に初めてそこでライブをしたのですが、雰囲気とか匂いとか、先生のこともなんとなく覚えているんですよね。そこで育てられている子どもたちに、歌を届けましたが、子どもたちは表情がキラキラしていて。最初は物珍しそうに見ていたのですが、そのうち「私も歌手になりたいんだ」という女の子たちと話をしました。この子たちの夢や希望が、もっともっと膨らんでいって欲しい。私の力は微々たるものかもしれませんが、何か出来ることをやっていきたいと思いました。
私は今回のイベントのお話をいただいて、初めて「養子の日」を知りました。知らない人は多いと思います。「養子の日」、多くの方に知っていただきたいですね。田北さんのお話にもありましたが、子どもをめぐる環境が過酷なっている中、こういう日があって、子どもに関わるイベントがあるということを知り、みんなで学んでいくことは大事だなと思いました。

――力強いメッセージ、心強い応援ですね。川嶋さんは、国内に留まらず、海外でもご活動なさっていますね。

川嶋さん 途上国に学校を建てる活動をしており、現在、アフリカ、アジアの貧困国を中心に8校建っています。現地の子どもたちともお会いすると、子どもの輝きというのは世界のどこの子たちも変わりません。子どもたちがずっとキラキラしていけるように、自分に何が出来るのか、これからも考えてやっていきたいなと思っています。

――川嶋あいさんには後ほど歌を披露していただきます。若者たちを中心に、大人気のあいさん。心に響く歌詞が素晴らしいです。ありがとうございました。(川嶋あいさんご退場)

養子縁組家庭の96%が自分の親からの愛情を感じている

――高橋さん、あいさんのように養子として育てられたお子さん、それから佐々木さんのように養子を迎えられたご家庭にアンケート調査を実施されたそうですね。

高橋 日本財団では、養子さんが15歳以上の世帯を対象とした調査を行い、このほど分析が終わりました。養親さんの95%は、子どもを育てて良かったと思っていることが分かりました。また、迎えられたお子さんの方も9割が養親に育てられて良かったと思っており、96%は自分の親から愛されていると感じているということです。この「自分の親から愛されている」と答えたお子さんは、一般家庭のお子さんより割合が高い数値です。こうして見ますと、養子を迎えて育てている親御さんのほとんどが、とても愛情を注いで育てていらっしゃるということ、それを子どもさんも感じているということがわかると思います。ただ、思春期で難しい時期があったというお答えもありましたので、養子縁組のご家族には継続的サポートも必要だと思います。

報告書(PDFファイル)のダウンロードはこちらから
【子が15歳以上の養子縁組家庭の生活実態調査 報告書】

――満足度が高いことが判り、これからの課題も見えてきたということですね。

高橋 はい。先日、厚生労働省で、特別養子縁組をどのように推進していくかという検討会が終わり、方針が出されるところです。日本財団の調査も参考にしていただけたらと思っています。また、養子縁組というものがもっと当たり前に社会に広がっていけるように引き続き啓発活動や情報提供などをしていきたいと思います。

――田北さん、子どもを取り巻く環境改善に尽力されていますが、皆さまの話を受けて、社会全体にはどのような取り組みが必要だと思われますか?

田北さん 川嶋さんのたくさんの愛に支えられた、というお話しが印象的でした。里親や養親などの当事者ではなくても、それぞれが関わる愛の形というものがあると思います。ご自分のお仕事や地域で、どんなかかわり方ができるか、ぜひ考えてみてほしいと思います。当事者以外の人たちが「私たちもこういうことが出来るな」という自覚が生まれてくることで、結果的に養子縁組の認知度も高まり、養子として家庭に迎えられる子どもの数も増えていくと思います。

――佐々木さん、養子縁組を経験されている親御さんの代表ということで、お子さんを養子として迎えたいという方々に向けてメッセージをお願いできますか?

佐々木さん 特別養子縁組は、生みの女性の相談をきちんとしてくれて、どうしても育てられないという決断があって初めて、私たち養親のもとに託されます。養親だけではなく、生みのお母さんの話をきちんと聞いてくださる取り組みが必要だと思います。そして、養子として迎えられた子どもたちが、よりよく育っていける環境が大切だと思います。そのためには、当事者だけではなく、普通に子育てをなさっている方々が少しずつ関心を持ってくれて、「そういう家族の形もあるんだね」と、家族の多様性に触れていただければと思います。また、養親なるためには多くの条件があります。私たちがそうなるまでには、細い糸を手繰り寄せるような思いでしたので、いま養子縁組をお考えの方は、経験者や専門機関に遠慮なく相談して、アクションを起こしてくださったらいいと思っています。

――皆さま今日はありがとうございました。
<川嶋あいさんライブ>
トークセッションの後に開催されたライブでは2曲を歌っていただきました。ライブの語りの中では、会場のみなさんに次のようなメッセージを贈ってくれました。

川嶋あいさんのライブ

不幸だったことはなく、幸せに生きる道を育ての親からもらった。
「育ての母と過ごした年月は13年間でした。私のことがほんとうに大好きで、私の歌のこともすごく好きで、情熱のすべてを私の人生に注ぎながら育ててくれたのが私の母でした。そんな母に、私のことを育ててくれてありがとうと、言えないままだったことが、一番心残りです。でも、私は不幸だったことはなく、幸せに生きる道を母からもらったと思っています。母と過ごした時間はかけがえのない宝物です。もしかしたら、会場にいるみなさんの中で、子どもを持ちたいけど、どうしたらいいのかなって、思っている方がいらっしゃるかもしれません。私は母のそばにいられて、不幸だと思ったことが一度もありませんでした。いま心配や不安があっても、乗り越えられるそれぞれの家族のカタチがあると思っています。」川嶋あい

(構成:林口ユキ)